肛門括約筋不全
肛門括約筋不全とは
肛門には内肛門括約筋と外肛門括約筋があり、これらの括約筋が切れたり、薄くなったりすることで、便を保持するための機能が低下することを指します。
原因
分娩時や外傷・肛門疾患手術時の肛門括約筋の損傷や大腸がん(主に直腸がん)術後の後遺症などの外因性の原因と、高齢による括約筋の力の低下や神経性の疾患、骨盤会陰下垂などの内因性の原因が挙げられます。
症状
主な症状としては便漏れ(失禁)やガス漏れ(失禁)があります。
漏れ(失禁)には種類があり、気づかないうちに漏れてしまう漏出性失禁と我慢できずに漏れてしまう切迫性失禁に分けられます。内肛門括約筋は不随意筋といって、自分の意志で動かす筋肉ではないので機能が低下すると漏出性失禁につながり、外肛門括約筋は随意筋といって、自分の意志で動かす筋肉なので機能が低下すると切迫性失禁につながると言われています。
診断・検査方法
- 触診
- 排便造影検査
- 肛門機能検査
- 肛門超音波検査
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治療
保存的治療としては便性のコントロールや骨盤底筋トレーニングが挙げられます。バイオフィードバック療法といって筋電図計を用いてリアルタイムで筋肉の動きを確認しながらトレーニングを行う治療もあります。
肛門括約筋の断裂などがある場合は手術適応となります。手術方法に関しては状態や希望に合わせて選択します。