あな痔(痔瘻)(痔ろう)
あな痔(痔瘻)とは
直腸と肛門の境目にあたる歯状線に傷がつき、便に混じっている細菌などが原因で炎症を起こし化膿してしまうことがあります(肛門周囲膿瘍)。肛門周囲膿瘍が慢性化すると、直腸~肛門と肛門周囲の皮膚の間に膿(うみ)がたまり、瘻管(トンネル状の穴)が形成されます。この状態をあな痔(痔瘻)と言います。
分類
Ⅰ型 | 皮下または粘膜下痔瘻 | 肛門の粘膜下および皮下の浅い部位にできるもの |
Ⅱ型 | 内外括約筋間痔瘻 | 内括約筋と外括約筋との間にできるもので、下に降りてくるもの(低位筋間痔瘻) |
内括約筋と外括約筋との間にできるもので、上にいくもの(高位筋間痔瘻) |
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Ⅲ型 | 肛門挙筋下痔瘻 | 坐骨と直腸の間(外括約筋の外側)にできるもの |
Ⅳ型 | 肛門挙筋上痔瘻 | 肛門挙筋の上にできるもの |
原因
肛門周囲膿瘍と同様に、歯状線にある肛門腺(粘液を分泌する腺)に細菌が侵入し、感染することが主な原因とされています。
また、下痢が続く人や炎症性腸疾患(IBD)の人が引き起こしやすいと言われています。
症状
肛門周囲膿瘍と同様に、肛門周囲の腫れや痛み、発熱を生じることがあります。自然に治ることはなく、放っておくと悪化していくことが多いと言われています。
診断・検査方法
- 視診
- 触診
- 肛門鏡を用いた肛門診
- 肛門超音波検査
- 瘻管造影
- CT検査
- 内視鏡検査
治療
薬を用いて経過を見ることもありますが、完治することはなく手術となることが多いです。手術方法は瘻管の形や場所によって様々で、状態や希望に合わせて選択します。